ファンサービスはおろか、メディア露出も一切しないが、類まれなる推理力でその名を轟かせた“伝説の探偵”――斜六(しゃろく)。2年前に探偵業から退いた彼が、ある未解決事件への考察を元にした探偵小説を書き上げたという。“伝説の探偵”が初めて描く探偵小説ということで世間は沸いた。 　しかし、そのお披露目イベントの会場控室で、斜六は死体となって発見される。偶然重なった清掃による階段封鎖とエレベーターの故障により、斜六の死体発見前後に控室と同じ階にいた者は少ない。そのうち、単独で行動していたのは３名だけであった。 　すなわち、この中に斜六を殺害した犯人がいる――。

ここは魔王がいる世界。 政府は冒険者を大量養成しているが、管理は行き届いていない。個人情報が含まれたIDを配布するだけである。 冒険者は、ID情報をもとに、自己責任でネットからパーティを募集している。 ある旅の途中、勇者Aはパーティ内のスライムの体当たりによって倒れ、急死した。 勇者がスライムの体当たりで死ぬはずがない。 パーティの中に真犯人がいるのかもしれない...

……床には男の死体が転がっていた。 ……私たちはこの死体の第一発見者であり、同時に犯人の最有力候補でもあった。 とあるマンションの一室。灯里と葵が目を覚ますと、目の前には、先程まで話していた男の死体が転がっていた。 紫煙(しえん)揺蕩(たゆた)う奇怪な現場で2人は真相を見つけられるか……。

関東から東北へと向かう寝台列車。乗客を乗せ出発した直後、閉ざされた車両で車掌の死体が発見される。 これは事故か、殺人か？ 事件の真相を暴くと名乗り出たのは、自称探偵のトレイン君だった！ 投票権を持つのは探偵を名乗る山ノ手ケン(トレイン君)ただ一人。 皆で情報を提供し、事件の真相へたどり着かせてください！

人を刺したばかりの少年。 人を轢いたばかりの青年。 「あんた、そいつ轢いたの」 「きみ、そのナイフ……」 月明かりの下、静かに交わされる言葉。 出会うべきだったのか、出会うべきではなかったのか……。 これは2人の男の、少し変わった出会いの物語。

ここは都内にある猫カフェ「キャット・テイル」。 きなこ、あんこ、おもちの三匹の猫が、今日も客に向かって愛想を振りまいていた。 三匹は生まれたときから一緒の仲良し。 きなこはチャトラ。 あんこはクロネコ。 おもちはシロネコ。 名前の通りの風貌で、三匹とも大人気だ。 ある日の朝、ボス的存在の三毛猫、みたらしのエサを入れた皿からカリカリが無くなるという事件が起こる。 その前の晩に動けたのは三匹だけと判明して……

東北岩手県にある「つらら村」。 不動大学の学生たちはこの村に伝わる『つらら姫』伝承を調査するためにフィールドワークに訪れた。 しかし一人の参加者が伝承の通りに死亡して‥‥？

アスファルトに照り付ける、太陽の日差し。肌が焼けるように痛く、それは夏の訪れを告げる。 「ハルちゃん」 あの日と変わらない君は、僕をハルちゃんと呼ぶ。君と会えるのは、夏の間だけ。 君との時間は、まるで「わたがし」が口の中で溶けるみたいに、一瞬の出来事に感じる＿＿＿

舞台は、現代ニューヨーク。 炎上するビルに轟く、2発の銃声。 難事件に挑むのは、言わずと知れた名探偵ホームズとその助手ワトソン！ 気持ちよく爽快に事件を解決し、名探偵になれる90分！

地球歴2873年。テラフォーミング技術の発展により人類の居住域は太陽系を超えて広がり、人類は数十の星々に分かれて暮らしていた。入植当初は資源の奪い合いなどの争いが耐えなかったが、それぞれの星の有力者たちが集まり「人類総会議」を設立して各地の戦争を平定。現在は反乱行動もごく少数となっている。 その年の冬のこと。ふたご座流星群を観測していた天文台が、流星群の中に一つのメッセージを発見する。 「Humanの皆様こんばんは。我々の星へおいでください」 外宇宙の知的生命体からのものと思われるメッセージに人々は色めき立った。人類総会議はすぐさま外宇宙探査計画《プロジェクト・ジェミニ》を発足、メッセージに示された座標へ宇宙船ジェミニ号を送り込むことを決定した。 ジェミニ号は、コールドスリープ状態の乗客と5名のクルーを乗せて目的地へと旅を続ける。しかし、いつもの日常は船内に響き渡る悲鳴によって崩された。駆けつけたクルーが発見したのは、背中に短剣を刺された船長の死体だった。 船長は何故死んだのか。 疑念渦巻くジェミニ号の未来はいかに。 その船は、希望と悪意を等しく運ぶ。