西暦2035年。 突如として地球全域を襲った未知の大地殻振動―― 《アースバウンド》。 大地は裂け、海は逆巻き、 人類はその日を境に、4つの大陸へと分断された。 各地では、支配を巡る戦乱と、終わりなき天災、 奪い合いによる飢餓が連鎖し、 人々は祈ることさえ忘れ、絶望に沈んだ。 だが、その混沌の中心。 サウスハテルマ島に――突如として、“それ” は現れた。 雲を貫き、星々に届かんとするほどの塔。 その存在は、まるで天と地を繋ぐように聳え立ち、 見る者の心に、畏怖と希望を同時に刻みつけた。 人々はいつしか、それをこう呼んだ。 ――《バベルの塔》と。

メキシコの片田舎 サン・グレゴリオの町で「死者の日」に起きた、少年の行方不明事件。 １ヶ月後、少年は無言の帰宅を遂げる。 次の年、少年を失って初めて迎える死者の日に、祭壇を囲んだ家族に特別な魔法が宿る。 奇跡の再会の夜を、家族は、死者たちは、どう過ごすのだろうか？

クジラは仲間には聞こえない歌を歌い、記憶を消して欲しい人の所に来るという。 いつもの浜辺でアリアが歌いリオンが絵を描く。穏やかな時間は、やがて訪れる未来の前の泡沫のようだった。 空は青くて地面は赤い。僕は――私は――何を忘れたらいいの？

舞台は、今からおよそ100年前。 第１次世界大戦真っ只中のクリスマス。 長い長い戦争に疲れた兵士達が、 敵だと分かっていながらも 共に歌を歌い始める……… その日、彼らは確かにそこにいた。 実話に基づく切なくも儚い物語。

25XX年、戦争は彼らにとって「日常的」なものだった。 宗教、人種、食糧、原因は様々だったが、最早「戦いをするために戦っている」ような、目的すら見失っている争いだ。 そんな世界に生まれ両親を戦争で亡くし、祖父に育てられた孤独な少年リオン。 兵器を作り続けることを課せられ苦悩に満ちた科学者の祖父が、いつか独りになるリオンのことを想い、創りあげたアンドロイドの少女リシェル。 そんな少年と少女の物語が、この荒廃した救いのない世界で、今、始まる。

ここには1匹のカピバラと3匹のマーモットがいる。 カピバラが師匠で、マーモットたちは弟子のようだ。

「今夜、誰かの願いが叶うでしょう」 7月7日、陰陽師の織姫は、そんな占い結果を提示する。鷲見アルタ、笹色叶絵、雨夜天流とともに、4人だけの秘密基地で和気藹々と日常を過ごしていた七夕の日暮れ時。 しかし織姫は、同時に、とある未来を視たという。それは、この部屋で死体が1つ転がっている光景だった。 この中の誰かの願いが叶うと、人が死ぬ。織姫達は未来の殺人事件を防ぐべく、解明に向けて動き出す。 それぞれの願いと想いが絡み合う、未来予知ミステリー。

異星人に侵略され、支配と共存の狭間で成り立つ未来都市。街の闇で動いているのは、国の軍隊でも宇宙警察でもない。 異星人を狙って始末する、「星屑の掃除屋」と呼ばれる無法者たちだった。 アストラ、ルミナス、オルビット、ノヴァ。かつて侵略の混乱で瀕死に陥り、異星人由来の遺伝子によって生き延びた彼らは、その代償として人間離れした力を得ていた。 これは、そんな彼らの始まりの物語。

【やさしい箱庭】 そこには、ゆっくりとした時間が流れていた。 この世界の片隅――”箱庭”と呼ばれる場所で、 四人の“はしっコ”たちが暮らしていた。 みんな、ほんの少しずつ何かを欠いていた。 欠けているのは、名前かもしれない。 記憶かもしれない。 あるいは、もっと単純な――安心感のようなものかもしれない。 けれど、はしっコたちは、 それを確かめることもなく、日向のように柔らかい光の下で遊び、笑い、寄り添っていた。 その箱庭の空気は、永遠の昼下がりのように静かで、 やさしかった。 【千年王国】 遠い昔―― 絶えることなく繁栄を続けてきた国があった。 その国には、一つの希望があった。 英雄＿ブリュンヒル。 美しく、そして勇ましく戦うその姿は、 “女神”の象徴として、人々に語り継がれていた。 そして王国の片隅。 森と湖に抱かれた小さな村で、 一人の少年と、一人の少女が静かに暮らしていた。 二人は幼いころから共に過ごし、 星のきらめきや朝露の輝きを、同じ景色として分かち合ってきた。 けれど―― その穏やかな日々は、 永遠には続かなかった。 ふたつの世界が、静かに、しかし確かに重なり合うとき―― 水面(みなも)に映る影は、形を変え、やがて哀い色を帯びていく。 これは、そんな影に手を伸ばそうとする、 ひとつの祈りと、ふたつの物語。

ふたりは気付いたら、真っ白な空間にいた。 自分たちは悪魔と戦っていたはずだった。 なのになぜ……？ ふたりが進む先、そこにある選択とは。