あらすじ 大人気VTuberグループ "PrismV"。個人勢として活動していた4人──ユウ、ルリノ、クロ、メリィが手を取り合い生まれた夢のユニット。 そのグループの中心にいたユウが、ある日突然SNSで活動休止を宣言。それから1年。止まっていたユウのSNSが再び動き出す。 『どれだけ偽っていても、真実は残る』 そして、ユウから直接送られてきたグループ通話の招待URL。リンクを押すと、そこには5人──4人の配信者と1人のリスナーが集められていた。 そこへ遅れてやってきた正体不明の無言の通話者がおもむろに配信画面を共有し始める。

ーー都内某所。 とある、ほんの少しリッチなバーに、偶然集まった4人。 有名インフルエンサー、人気歌い手、期待の新人コスプレイヤー、売れっ子ホスト。 酒が進み、軽いノリで“黒歴史暴露ゲーム”を始めることに。 「匿名で暴露カードを書いて、誰のか当てっこしよう！」 …のはずが、いつの間にか全員酔いつぶれて寝落ちていた。 テーブルの上には、誰も笑えない暴露カードの山。 その静寂を破って、マスターが呟く。 「……記者さん、朝早いんじゃないですか？」 ――記者？まさかパパラッチ？！　そんな肩書、誰も名乗っていないはず。 誰かが“この夜”をネタにしようとしている！？ 4人は、自身の名誉と秘密を守るため “誰も得しないゲーム”に挑むのだった。

――これは、忘れかけていた思い出の続きを灯す物語。 毎年、近所のおばあさんが開いてくれた小さなクリスマス会。 今年は体調を崩したおばあさんの代わりに、かつて子ども時代おばあさんのお世話になっていた幼馴染の4人がその役目を引き継ぐことに。 パーティーは大成功。 やれやれと終わりの片付けの最中に、ふとした会話から、ある年の“プレゼントの記憶”だけが4人とも思い出せないことに気づく。 ーあの年あの日、自分はいったい何のプレゼントをもらったんだっけ？

関西地方、海から遠い山奥の集落に、かつて「憂岬村（うみさきむら）」と呼ばれる集落があった。 そこには、ひとつだけ学校があり、三人の子ども達と一人の先生が、共に季節を過ごしていた。 都会から来た女性の先生。 歌の得意な女の子。 運動が得意な大人しい男の子。 そして、どこか儚げな男の子──高良蒼空（たからそらと） だが卒業の年、高良一家は突如として村から姿を消した。 誰も理由を語らず、捜索も虚しく、やがて学校は廃校となり、村そのものも地図から消えた。 それから十年—— 残された三人のもとに、同じ文面の手紙が届く。 「あなたは、やさしいひとですか？」 差出人の名はない。 ただ、そこに記された住所が、“あの頃”を知っている誰かのものだった。 蒸し返したくない、けれど目を背けていたはずの記憶は、今思い起こされる。 あなたは、やさしいひとですか？