放課後の音楽室。 １人の少女がピアノを奏でる。 音符たちは蔦のように絡まりあい、空気に溶けていく。 これはピアニストになることを目指した、３人の少年少女が紡ぐ、長くて短い物語。

紫煙(しえん)がくゆる、薄暗いバー。 酒とたばこの匂いが入り混じる店内は、酔っ払いが騒ぎ立てる声や、ならず者達が話す声で騒がしい。 これはバーで始まる、男と女の別れの物語。

家の庭に咲く、青と白のあじさい。 あじさいだけが知っている。ある兄弟の、雨が降る日の想い出を。

「あまのがわ、いっしょにみにいってよ！」 「……うん、わかった。」 これは、とある男女の再会の物語。