
世界の果てで瞬いて~The Silence Glow~
@らくす
十年前、世界は突如として現れた未知の感染症『CX ウイルス』によって変化を余儀なくされた。高い致死性と異常な感染力により各地で人々は倒れ、都市機能は急速に失われていった。
政府や医療機関は対応に追われ、通信網や生活インフラが次々と途絶(とだ)えたことを皮切りに、世界は僅(わず)かな時間で“文明”を失った。
街は放棄され、人の気配は何処(どこ)にもない。
荒れ果てた建造物、放置された車列、規則性を失い生い茂る植物たち。
今では、かつての文明を象徴する残骸が、静かに風に揺れるだけだ。
そして、2035年12月。
凍てつく冬を迎える中、PC1 ユキヤと PC2 ヒメカのふたりは、かつて日本の中心だった東京へと足を踏み入れた。