
難事件ファイル01:年越しは友の死体と共に
Ms.Tale
難事件。
……それは複雑怪奇、解決困難、誰もが避ける厄介な事件。
ただ一人、それを心待ちにする、ある探偵を除いては——。
「初めまして。私は言葉 結(ことのは ゆい)。探偵です」
彼女はそう言って、分厚いファイルを取り出した。
「今回、助手の皆さんにお集まりいただいたのは……」
言葉は静かに微笑む。
「とある『難事件』の解決に、ご協力いただきたく」
――【難事件ファイル01:年越しは友の死体と共に】――
大晦日の晩、山の上のロッジで大学生の橋本 圭が死んだ。
残されたのは三人。
綾瀬 蓮、田中 蒼真、佐藤 優。
そして全員が言った。
「俺は殺してない。だってあいつとは友達だ」
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「この事件は事故として処理されています。
でもそれは、本当に真実でしょうか?
本当に、犯人はいないのでしょうか?
その判断は、正しいのでしょうか?
私はかなり疑問です」
言葉は三つのファイルをテーブルに置いた。
「蓮」「蒼真」「優」——それぞれの名が記されている。
「皆さんには、私の助手として、この三人の記憶を『追体験』してもらいます。そして事件の裏に隠れた『真実』を見つけ出してください」
彼女は静かに微笑んだ。
「さあ、助手の皆さん。推理の時間です。私に力を貸してください」