ウズで遊べる『k.inaba』マダミス一覧
探偵 時切灰斗氏の事件録 Ep00:着飾った令嬢
k.inaba
僕らの通う大学には「スイキョー」と呼ばれる先生がいる。
黒のトンビコートを好んで着用する長身の男性。“推理教授”“推理狂人”“酔狂”......様々な意味を含んだその呼び名には、学生たちの畏怖の念が込められていた。威嚇するような鋭い目つきの奥から覗く彼の瞳を見ると、竦んで動けなくなってしまう学生もいるという。
彼の名前は「時切灰斗」。年齢不詳。専門は犯罪学で、キャンパスの奥の奥にある研究室で妙な授業を行っていると専らの噂だ。
でも僕たちは知っている。彼が誰より優れた探偵であることを。そして僕たちは望んでいる。彼が経験した奇怪な事件の数々を、僕たちの手で解き明かすことを。
プレイヤーの皆さんは時切灰斗氏のゼミ生の一人です。
彼の講義はかなり特殊で、彼が過去に解決してきた事件をモチーフに して自作した“マーダーミステリー”というロールプレイングゲームを使って行われます。
ゼミ生の皆さんはそのゲームを通じ、現場に出ることなく事件を体験 し、推理力を磨き、犯罪者の心理を学ぶのです。
ただし本作は『マーダーミステリー風推理ゲーム』なので、プレイヤーの中 に犯人を演じる人はいません。容疑者たちの事件直後の“証言”と、当時の捜査の“途中経過”のみが明かされ、全員で犯人を推理します。明かされるのはあくまで“証言”なので、全員がそれぞれ嘘をついている可能性があります。
※ただし、容疑者たちが口裏を合わせていることはありえません。
今回扱うのは、アメリカの資産家一家で起こった殺人事件だ。
ゼミ生たちは証言と証拠をもとに事件の真相を追う。
【※プレイ中にメモをとる必要があるため、プレイ前にメモ帳などをご用意ください】
5
人
120
分
2021/04/28公開
裏切りの窓が見つからない
k.inaba
G県南部にある資産家の屋敷、丸貝邸(まるがいてい)の一室で二人の男が目を覚ます。
彼らの名は、辺見(へんみ)と油田(ゆだ)。お互いに面識のない彼らの目の前には顔を潰された男性の遺体が横たわっており、辺見の手には血まみれのトロフィー、油田のポケットにはこの部屋の唯一の扉のものと思しき古風な鍵があった。
「旦那さま、旦那さま!一体何があったのです?無事ならばお声を!扉を開けてください!!」
部屋の外から扉を叩き、ドアノブをガタつかせてなんとか部屋の中に入らんとする者の声がする。しかし、一向に扉が開かれる気配はない。
「鍵がかかっている……おい! マスターキーを取ってこい!」外の男は誰かにそう命じる。
君たちは自分たちがどのような状況にあり、いったいこの場で何が起きたのか把握するべく話を始めた。
2
人
90
分
280
2022/12/09公開
死神はトリックをかたらない
アラン校長・k.inaba・ウズプロダクション
人間はいとも簡単に重要な何かを見逃し、思い込んでは錯覚する。誰もが持つその性質を利用して、見る者を欺き、不可能を可能にするエンターテインメント――我々は、それを奇術(マジック)と呼ぶ。
某日某所、人里離れた小高い丘の上に建つ幻想邸(げんそうてい)と呼ばれる邸宅で、奇術師たちの会合が行われていた。主催者は千の奇術師、司丹神朔夜(しにがみ さくや)。カードにコイン、カップはもちろんのこと、大規模な消失マジックや脱出イリュージョンまで、彼にできない奇術はないと言われるほどの人物である。新ネタの開発頻度やトリックの斬新さも高く評価されており、彼が開く会合には毎年多くの奇術愛好家が詰めかける。
だが彼には一つ、巷(ちまた)で囁かれている重大な噂があった。「司丹神の周りでは人が消える」と。知る人ぞ知るそのフレーズは参加者に一抹の不安を与えながらも、ある意味で彼のミステリアスな魅力を増幅させる一助(いちじょ)となっていた。
此度(こたび)集った者たちには、噂に関することか、あるいは別のことか、それぞれ彼への思いや目的があると見える。互いに多くは語らぬまま、表面上はマジックショーや奇術談議で賑わっていた邸宅の一室にて、息絶えた男性が発見される。それは、他でもない司丹神朔夜の死体であった。
自らを隠し、相手を欺け。そして、種とともに鼻を明かせ。奇術師たちのミステリー、ここに開幕。
5
人
200
分
980
2023/08/25公開