
CHECKMATE
初期
『名もなき夜に、玉座は空白となる』
ヴァルディア王国。
それは剣と血によって国境を広げ、軍事力を誇る覇道の王国。
幾多の戦乱の果てに、王はついに大陸制覇の夢を語り始めた。
その布石として、選ばれた王直属の騎士には城が与えられる。
表向きには“表彰”と“宴”の場。だが、集った者の胸の内は誰も知らない。
そして──その夜、王は私的な晩餐の場で命を落とした。
城の門は閉ざされ、犯人はまだこの中にいる。
これは忠誠の物語か、それとも裏切りの記録か。
それを知るのは、この夜を生き延びた者だけ。