
五感の密室
戌森うっち
山奥にひっそりと建つ、外界から隔絶された研究施設『五感研究所』。
そこでは、子どもたちの五感を強化し、各業界のスペシャリストへと育成する極秘実験が行われていた。
視覚。聴覚。嗅覚。
それぞれ異なる感覚を強化された三人の被験者は、幼い頃からこの施設で暮らし、長い年月を訓練と実験に費やしてきた。
そんな三人に、ある日突然、
明日、この施設を卒業することが告げられる。
長く続いた施設での生活も、今夜で終わる。
そのはずだった。
その夜、施設内に突如として警報が鳴り響く。
閉ざされる扉。
途絶える外部との通信。
そして、施設の中で起きていた異変。
三人は、それぞれの研ぎ澄まされた感覚を頼りに、施設を調べ始める。
しかし、調べれば調べるほど、施設には不可解な点が増えていく。
なぜ警報は鳴ったのか。
この施設で、いったい何が起きているのか。
三人は、それぞれが持つ感覚と情報を頼りに、少しずつ真相へと近づいていく。
信じるべきは、自分自身か。
仲間の言葉か。
それとも
まだ誰も知らない、この施設の真実か。