
またひとつ、夏が終わる
しま
13年前の夏、海辺の町で、5人のうちの1人が海で亡くなった。
事故だった、ということになっている。
それから毎年、命日の8月17日になると、残った4人は同じ食堂の座敷に集まる。
日下部遥香、相馬岳、三宅涼太、鏑木円佳。
同じ席に座り、同じ話をして、同じ時間に帰っていく。
去年何を話したかは、誰も覚えていない。
そこへ、死んだ友人の妹が、13年で初めて訪ねてくる。
「兄が海に落ちてから、通報まで40分。その間、何があったんですか」
その夜、彼女は波打ち際で倒れているのが見つかる。
そして今日のことも、きっと明日には忘れてしまう。
忘れてしまう前に、あなたは何を決めますか。