朝の世界を知らない怪物の子は、 風もふかふかのベッドもない、 無機質な白の箱の床で目覚める。 唯一の幸せは、隣から感じる煙の匂い。 白く冷たい床の上で、優しい声が響く。 「おはよう。」 誰かが優しくそう言ってくれる朝を、 この孤独な怪物はずっと、ずっと夢見ていた。

目を覚ますと、そこは――“知らない場所”だった。 “あなた”の前に現れたのは、奇妙な配達人クロノ。 クロノに導かれ、あなたは旅に出る。 誰かが書いた「もう二度と会えない、大切な人への手紙」を届けるために。 「伝えたかった」 「言えなかった」 「だから、今こそ……」 すべての手紙を届け終えたそのとき、クロノは“最後の便り”を差し出す。 それは――あなた自身の手紙だった。 もう会えない、大切な“誰か”へ たった一度だけ、想いを伝えられるなら……あなたは、誰に、何を伝えますか？

西暦3000年アドバンス社が所有する宇宙船レスぺシオ号は惑星マルテから惑星テラへ宇宙鉱石ミネリオと鉱物学者を護送する任務を遂行していた。 宇宙船の航路は順調にアドバンス社のある惑星テラへ向けて進んでいたはずであった。 しかし、宇宙船の進行中に突然エンジンルームから轟音が響き渡り、乗組員たちに混乱が生まれた。 続け様に、船内の緊急アラームが鳴り響き、船外活動中であったチャールズ博士にトラブルがあったことを告げる。 チャールズ博士の訃報に、船内の混乱はさらに激化する。 あなたたちはアドバンス社の社員として、事故の調査を行い正確な報告をアドバンス社へ向けて実行しなければならない。 事故の発生時、現場で何が起こっていたのか？ エンジントラブルの原因は？ 他にも船内でトラブルはなかっただろうか？ 社内で起きた事故は関係者で対処しなければならない。 事故で亡くなったチャールズ博士は、乗組員たちにとって関係の深い人物であったため、気持ちの整理もできていない中での事故調査は難航するかもしれない。 あなたたちはそれぞれの思いを胸に事故調査を進めることにしたが……

誰もが朱に交われば赤くなる。 木々生い茂る中、西に延びる整備された街道、その途中にある山のふもとの村。 馬車を駆る商人は、焼き物や油を運ぶ。 少女は生まれ育った村で楽しい毎日を過ごしていた。 青年は馬に乗って旅をしていた。 山上の小屋で３日間２人で過ごし、互いを知り、結婚の儀を挙げる……かもしれない。 結婚とは、互いが１つの赤になる約束。しかしそれは必然ではない。

ここは、人間と魔女が共存する国、ルーメシエル。 お互いに干渉することなく、時は淡々と流れていく。 そんなある日、殺人事件をきっかけに1人の人間と魔女は出会う。 これは偶然なのか、それとも必然か。 交わらなかった2つの世界がいま動きはじめる。

舞台は、エルフと人間が 戦った後の世界。 戦争が残した深い傷跡の中で、 異なる過去を持つ３人が出会い、 互いに影響し合いながら、 それぞれの「真実」と向き合い、 未来への「決断」を下す物語。 復讐、罪悪感、そして希望……。 旅の先に待つのは、悲劇か… それとも希望か…

「好きな夢が見られたらいいのに」 「夢から覚めなければいいのに」 ――そんな思いを抱えた人々を誘う“夢旅行センター”。 眠りについた乗客は〈夢列車〉に乗り込み、深層心理が紡ぐ“望みの終点”へと向かう。

深夜のコインランドリー。 偶然居合わせた二人は、洗濯機の回る音をBGMに、少しずつ言葉を交わし始める。 親でも子でもない。 友人でも恋人でもない。 ただ「夜をやり過ごす者同士」として、洗濯機が止まるまでの時間を共に過ごす中で、胸の奥に沈めていた本音がゆっくりと顔を出していく。 これは繋がらないはずだった二つの孤独が、ほんのわずかに重なった夜の物語。

目覚めたとき、大切なキミがいた。 僕に話し方がそっくりで、記憶の隅々を探っても思い出せない錆びてボロボロのロボット。 それでも僕はキミが大切だってことだけはハッキリと分かる。 キミは、どこを触ってもギィギィと音がするし、今にも止まってしまいそうだった。 そんなキミと僕の███の物語​──────

エリートが集う桐咲学園(きりさきがくえん)の文化祭「星桐祭」（せいとうさい）を目前に控え、メンバーたちは、最終調整のための合宿にやってきた。 脚本、演出、照明、音響、小道具、記録……そして役者。それぞれの役割を持つ7人は、最後の準備に追われながらも、互いに意識し合い、支え合い、衝突し合っていた。 それぞれの胸に秘めた想い。 小さくも存在感を増す違和感。 ある事をきっかけに、その様相を変えていく―― これは、演じる者たちが直面する「真実」と「選択」の物語。