
漆の森が枯れる日に
きうちこ
『いったいなぜ。誰かが森を殺したのか!?』
山深く、霧に包まれた小さな集落――朝凪村(あさなぎむら)。
村の人々は、代々この地に自生する“ウルシの木”と共に生きてきた。
ウルシを採り、器を作り、森を守る。
それが村の誇りであり、唯一の産業でもありこの土地の“祈り”そのものだった。
だがある日、森が静かに息をひそめる。
村の象徴であるウルシの森が、突如として枯れはじめたのだ。
このままでは最初は一本、次に十本――やがて一帯の木々が灰色に変わり、長く続いた産業は存亡の危機に立たされるだろう。
村は混乱に包まれる。
互いに疑念と怒りを向け合い、沈黙が広がっていく。
なぜ、森は枯れたのか。誰かが、森を殺したのか。
そして、朝凪村はどんな未来を選ぶのか。