あらすじ
厳格なる菜食主義者たちが集う、隠れ家的社交場――ヴィーガンラグジュアリーロッジ。 主催者にして自称「ヴィーガン界の神」、ルクスのもとに、五人の「同志」たちが招かれた。 和やかな親睦の宴のはずが、いつしか食堂には嗅ぎ慣れぬ香り。炭火で炙られたような、あの罪深き匂い――サーロインステーキ。 草食を誓ったはずの楽園で、いったい何が起きたのか。
キャラクター
カーニー
気に入らないことがあれば、すぐ声を荒げる乱暴者。何かにつけて、食へのこだわりを口にする。
ソリア
折り目正しく、誰よりも真面目に見える一人。物腰は穏やかだが、その表情から本心を読み取るのは難しい。
リーフィ
気品に満ちた物腰で、己を「選ばれし者」と信じて疑わない令嬢。その振る舞いはどこまでも堂々としている。
ミートン
語尾に「なのだ」をつけるのが口癖の、どこか浮世離れした陽気な人物。見ているだけで元気をもらえる、不思議な存在感がある。
ベジオ
ヴィーガン歴はまだ半年の新米。気は弱く、何かにつけてオドオドしてしまう。
制作者のコメント
筆を執るにあたり、まず断っておかねばならぬことがある。 本作は、菜食を貫く人々を嗤うために書いたのではない、ということである。 肉と野菜、その滑稽な諍いを戯画として描いてはいるが、それはあくまで笑いのための衣であって、著者はヴィーガンという生き方、その根底にある思想と覚悟に、深い敬意を抱いている。 むしろこの一篇は、諧謔という形を借りて、その考え方を少しでも世に広めたいという、ささやかな企てでもある。 『陰謀論者じゃないもん』に続く一作として世に送り出す本作、どうか肩の力を抜いて、笑いながら味わっていただきたい。 なお、本作のキャラクター絵は、このためだけに新たに描き下ろしていただいたものである。絵師の方には、この場を借りて重ねて感謝申し上げる。