Introduction
夜の和室。外は雪が積もり沈黙がつのる。 寝かされた老人に付き添う女性と、白衣の男。 温厚で人当たりの良い医者であるシュウ・アサヒカワは世話になっている資産家で鑑定士、次郎屋甚吉を看取ることとなった。 明らかな老衰で、まあ大往生だろう。 同氏の孫娘である阿国が見守る中、最期の瞬間に臨む。白衣の衣擦れの音。伏した老体の呼吸が止まる。女の長いまつげが閉じる、瞬きの音さえ聞こえそうな夜だった。 そっと、溶ける雪のように亡くなりゆく次郎屋氏の、止まった脈をとりシュウが「ご臨終です」と告げる。 「ありがとうございました」 そう三つ指をついた阿国は、何も言わずするりと立ち上がると床の間の刀を取り出し祖父、次郎屋氏の遺体に突き立てた。
Character
シュウ・アサヒカワ
しゅう あさひかわ
さすらいの医者。 いろんなところにいろんな関係をもつ。 彼自身は優しく温厚で動じない、丁寧すぎるほどの人格者。かえって笑顔の彼以外を、誰も知らないという。 マフィアの黒い仕事もこなしていたとかいう不吉な噂もある。 (役割:回答者)
次郎屋 阿国
じろうや あくに
甚吉の孫娘。 和装の美人。古風な雰囲気を持ちあまり多くを語らない。 義理や伝統を重んじる奥ゆかしいタイプ。 (役割:出題者)
Author's Comment
楽しいですよね、ウミガメのスープ問題。 気軽に、でもしっかりな推理シナリオを突き詰めてミステリを作成していたら、なんとウミガメスープになりました。 最終的には解にたどり着く設計ですが、その道は中々難関ですよ🍀 とはいえヒントや手がかりもあります。たーんとめしあがれ🕊 読み合わせの側面も持ち合わせております。GMさんとやり取りしながら、たっぷりロールプレイも推理も楽しんでくださいませ。